多くの親御さんの悩みです。「うちの子、やる気がなくて困っています」。さて、何を基準にやる気がないと判断するのでしょうか?僕はこの仕事をしていて、どんな子でもやる気のない子はいないと思っています。では、どうして勉強をしなかったり続かなかったりするのでしょうか?実は子供たちが勉強の仕方をきちんと身につけていない場合が意外に多いことです。それを的確に把握しないままに親から「うちの子はやる気がない」というレッテルを貼られている場合に多く見られます。これは大人でも同じです。人から君はやる気がないという評価をくだされたときほど、悲しくつらいものはないでしょう。そしてもしそれが数ヶ月いや数年も続いたら、誰だって本当にやる気をなくすことでしょう。
このような例が多いのです。でも、本当にやる気がない子なんて実はいないんです。そこで、どのようにしたら勉強をするようになるのかをお話しさせていただきましょう。
僕たちが小学生だったころは、まず小学校に上がると、ノートや教科書の使い方、鉛筆の削り方から文字の書き方、教科書の読み方からいすの座り方まで、だいぶ厳しく教えられた記憶があります。そして、当時はまだまだ怖い先生がたくさんいらっしゃいましたから、学校の授業も先生によっては、水を打つ音まで聞こえるようにシーンと静まり返っていたものです。ですから、国語の教科書の音読が始まると、いつ、どこから自分の番になるのかハラハラドキドキでとても緊張して待ち構えていたものです。そこで養ったものとは、ある意味緊張感です。そして文字を正確に目で追うということでしょう。算数も同様に、黒板に書かれた問題に対してみんなの前で答える場面もよくありました。それもまた、間違えると恥ずかしいという思いから、誰でもが緊張の毎日だったと思います。そこでは計算力や回答能力といったものが養われたと思います。
しかし、今は違います。いつのまにやら、勉強の軸足は各ご家庭あるいは学習塾のような民間機関に依存する傾向が高まってきています。つまり、本当の学習習慣を身につけるためには、それなりの方法や手段を取らないとならない時代に入っているということです。ところが、多くの受験生はこの学習習慣を身につけるゆとりもなく、ただ、受験勉強というレールの上に乗せられて、ある一定のスピードで前に進ませられるだけの日々を送っています。たとえば、漢字を覚えるだけでも、ただただ、何度も何度も意味も用法も知らずに反復して練習しているだけだったり、算数の公式の意味も理解しないままに、丸暗記で問題を解くだけだったりと、近年の中学受験シーンを見ていますと、単なる、中学受験向け詰め込み型マシーンを製造しているようで、気が気ではありません。つまり、中学・高校へ進学するに連れて、自ら勉強に取り組む力や深く考える力が要求される場面で、どんどん差が出てくるのです。中学・高校で成績にゆとりを持っている生徒は、この学習習慣が身についている子たちなのです。そして、それは中学受験を通して身につけた貴重な財産なのです。
中学受験ではもちろん合格も大事ですが、忘れてはいけないことに中学受験を通して、学習習慣も身につけるということです。この両輪を常に意識しながら向かうことをお勧めします。
hotline では長期にわたってこの学習の仕方と学習習慣を身につけることを指導しています。そのため、毎回の授業でご報告させていただいております、「授業報告書」には、毎回の授業目標とその対応、そしてお子様の様子と改善あるいは定着するための指示を「宿題」または「ご家庭で取り組んでもらいたいこと」として具体的な指示をさせていただいております。
先日は4年生の理科において、宿題として野外での植物採取と昆虫採集を指示させていただきましたところ、「中学受験を通して、親子で平日に外に出てこのようなことをしたのは初めてで、不思議な感覚でした」とお母様よりお話しいただきました。このような経験で子供たちは机に向かって勉強する以上のことを学んだことでしょう。実際に手に取り、目に触れることの大切さを、中学受験によって摘み取らないようにと願うばかりです。
ぜひ、お子様とご一緒に勉強の仕方を見つめ、わが子に合ったスタイルを探し求めてみてはいかがでしょうか? きっと、お子様にとってとても大切な時間になることでしょう。
そして、そのことが、お子様の学習の効率を上げることへとつながると確信しています。
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塾長 横山善則